スピッツ・・・といえば名前くらいは多くの人が知ってそうなベテランバンドですね。
実はキャリアは30年ほどにおよび、80年代の後半のインディーズ時代には
ほとんど「ブ○ーハーツ」かというくらいのパンクロックをやっていた歴史もあったり。
とはいえ、2016年の今となっては「空も飛べるはず」みたいな
教科書に載ってる歌しか知らないという若者も多かろうと思いますので、
不肖33歳のお兄さん(とおじさんの中間形態?)の私がスピッツの世界観を示した3曲を厳選してしまいましょう。
①みなと
(公式PV)
2016年5月現在の最新曲。
Mステでの「放送事故!」がちょっと話題になりました。
この曲は「いかにもスピッツ」な味わいが色濃く出ています。
例えばイントロ。
アコギとエレキが重なり合って始まり、
そこに草野マサムネさんのちょっとかすれた高めのボーカルが乗っかってくる感じ。
別に技術的にトリッキーなこともしてないと思いますし、
メロディもどこかで聞いたことのありそうな「懐かしい」感じ。
これが「いかにも」なんですよね。
歌詞の世界観もスピッツならではのものです。
「遠くに旅立った君に 届けたい言葉集めて」
「黄昏にあの日二人で 眺めた謎の光思い出す」。
その世界は「僕」と「君」で成り立つ、ごくごく私的な空間。
しかも、その空間に今「君」はいなくて、
「僕」は「君」のいた余韻で「ここ(みなと)」に立っている。
普通の失恋ソングのような雰囲気もありつつ、
実はものすごくナルシスティックな「僕」の世界なんですよね。
そして、スピッツがすごいのはこの「スピッツ的」なテイストを、
マンネリに陥らずしかも20年以上出し続けてきたというところです。
②ロビンソン
(公式PV)
1995年発表のスピッツの代表曲。
一番売れた曲でもあります。
まずは、この曲の4分29秒をじっくり味わってください。
・・・どうでしょうか。
「みなと」で指摘したことが、
20年以上前に発表されたこの曲にも当てはまることがお分かりでしょうか。
イントロにアコギとエレキが重なり、そこにボーカルが乗っかる感じ。
どこかで聞いたことありそうな「懐かしい」(実際懐かしの名曲なわけですが)感じ。
「誰も触れない 二人だけの国」という私的な世界観。
「大きな力で 空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る」というナルシスティックな高揚感。
でも、「みなと」とは全然違う曲ですよね。
聞いたことありそうなくらい安心できるメロディなのに新鮮。
この路線を20年以上守り続けるってすごいですよ?
③魔女旅に出る
(公式PVなし。一般人映りのないライブ映像はhttps://www.youtube.com/watch?v=fPUvjLKlEsM)
1992年とさらにさかのぼり、メジャーデビューしたての頃の曲。
スピッツには珍しく、オーケストラを全面にフィーチャーした曲です。
その意味で、「みなと」や「ロビンソン」とは曲調が異なって聞こえます。
しかし、それにもかかわらず曲の世界観は3年後の「ロビンソン」や
24年後(!)の「みなと」と実は変わらない、というのがスピッツのすごさなんですよ。
「僕は一人いのりながら 旅立つ君を見てるよ 手を離したならすぐ 猫の顔でうたってやる」
旅立つのは、やはり「僕」ではなく「君」なんです。
「僕」は「いつでもここにいるからね」。
この、まったく雄々しくない世界観を30年近く保ち続けてきたスピッツ。
10年近く前から「草食系」という言葉が出てきましたけど、
スピッツはまさしく「草食系の王様」です。
さあ草食系の皆さん、そして草食系男子に興味のある皆さん、
スピッツは今でも押さえるべき必須アーティストですよ!
アーティスト画像引用元:http://www.oricon.co.jp/news/2068389/photo/1/
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