もう年末です。気になるのが確定申告。
私は学生向けにFXを紹介しているのですが、
やっぱり気になるのが税金の話です。
そもそもFXの利益に課税されることを知っていなかったり
税金そのものの仕組みがよくわかってなかったりと
税金は学生にとってとても難しいものだと思っていました。
普段、消費税くらいしか払っているものがないので当然といえば当然です。
そこで、今日は気になるFXに関する税金について学んでいきましょう。
Contents
FXをする学生にとっての税金とは
しっかりと学んでいくため、まずは税金についてから学んでいきましょう。
FXをしていなくても、税金について知るいい機会かもしれません。
そもそもFXにかかる税金とは
一言で言えば、一番大きな手数料、投資家にとっての敵ですね。
スプレッドと取引手数料さえ払っていれば
あとは全部利益だと思っている人が多いことでしょう。
考えてみれば、銀行の利子にも税金がかかるので当たり前ですね。
FXによる利益は雑所得という分類に相当します。
消費税は、例えばコンビニでものを買うときは直接お店に払いますが、
雑所得の税は、確定申告の際に払うことになります。
つまり、確定申告が必要な人のみが税金を払えばいいわけです。
例えば、500円しか儲かってなければ、申請する必要も税金を払う必要もないわけです。
確定申告とは
確定申告とは、昨年1年間に所得があった人に対してその内訳の申告を国が課すものです。
1年間というのは、1月から12月で1つの区切りになっています。
つまり、1月から12月の収入について記述をすることになります。
正直大抵の学生がしたことないと思います。
学生トレーダーで確定申告が必要な人
じゃあどんな学生トレーダーが確定申告をしなければならないのでしょうか。
2つのポイントがあります。
- 所得が38万を超える人
- 大きな損失をした人
a.所得が38万を超える人
他の所得がない場合に、38万円以上稼ぐと税金が発生します。
年間38万円ですから、月間3.16万円に相当します。
このくらい稼ぐのは結構すぐなんですよね。
軍資金が30万位あって、
正しく勉強していれば到達してしまうレベルだと感じます。
運が良ければ一日で課税されてしまうでしょう笑
b.大きな損失をしている人
FXに対する課税は、実は繰り越せるんです。
分かりにくいですよね。
具体的な例を出してみましょう。
2010年に-100万の損失をしたとしましょう。
2011年に+100万の利益
2012年に+100万の利益
すると2013年1月には、合計100万円の利益があることになります。
しかし、課税のことを考えてみると・・・
2010年に-100万の損失をしたとしましょう。
2011年に+100万の利益、そして-20万の税金
2012年に+100万の利益、そして-20万の税金
すると2013年1月には、合計60万円の利益があることになります。
少しFXの税金についてかじっている人は、”税率が20%”
ということは知っていても、損失繰越についてはしらないことが多いと思います。
つまり、繰越を加味すると
2010年に-100万の損失をしたとしましょう。
2011年に+100万の利益、そして非課税
2012年に+100万の利益、そして-20万円の税金
すると2013年1月には、180万円の利益が手元に残ります。
これ、全然違いますよね!
ぜひ知っておいてください。
含み益なら関係がない
含み益に対しては課税されません。
すなわち、決済するまでは利益でも損失でもないわけです。
100万円利益をあげていようが、それがまだ決済されていなければ申告の必要がありません。
ただし、1月に100万利益をあげていれば、12月に含み損がたくさんあっても、もちろん申請する必要があります。
アルバイトとの兼ね合い
そもそも、アルバイトもしているんだけど・・・っていう人はどうなるのでしょうか。
アルバイトだけをしている場合は、年間103万円を超えていなければ所得は0という扱いになります。
また、学生の場合は勤労学生控除として27万円の控除が適用されます。
つまり学生の場合は年間130万円までは所得として考えることがないわけです。
(アルバイトのみなら、130万がラインになります。雑所得も含む場合は少し複雑)
ただし、扶養家族控除の対象になっている場合は、
103万円を超えると厄介なことが起きます。
税制度における親の扶養扱いについて
学生の場合、親の扶養が外れる、外れないという話が話題に上がったことがあると思います。
じゃあ実際それはどういう意味なのか、から見ていきましょう。
「扶養が外れる、外れない」という表現は正しくなく、
正式には、扶養控除の対象になるか、ならないかということです。
具体的には、「納税者である人」が、「同じ生計の中にある」「所得38万以下の」「3親等内の親族」を「扶養家族」とすることができます。
つまり、多くの場合について言及すれば、納税者である親が、所得38万以下の自分の子供を扶養家族とすることができるわけです。
アルバイトで100万稼いだら扶養控除対象から外れてないか
ここまでの情報だけ見ると、アルバイトの収入が100万円あれば
扶養家族になれない気がしますよね。
安心してください、入れますよ。
なぜなら、純粋な所得からあらゆる控除を引いたものに対して税金や扶養の話が絡んでくるからです。
自分の収入ー65万円(給与所得控除)ー27万(勤労学生控除)に対して関わってきます。
だから自分の収入が103万までだったら、扶養控除は外れないし勤労学生控除は存在します。
なぜこのように控除されるのかというと、アルバイトの収入は「給与所得」として扱われるためです。
つまり、給与所得控除の対象になるわけです。
そして学生の場合は27万円分、勤労学生控除があります。
(但し、収入が一定以下の場合に限ります)
学生である納税者本人の給与所得 (収入から「給与所得控除」を差し引いた金額)が65万円以下で、かつ、給与所得以外の勤労によらない所得が10万円以下であること
具体的にはこのようになっています。
FXは、給与所得以外の所得に相当しますね。
ここで気づいて頂けたと思うのですが、注意しないといけないのは、
「親の扶養を外れること」と「勤労学生控除があること」は別物です。
親の扶養を外れたくない・・・
ここまでの話をまとめると、学生である我々が親の扶養控除対象を外れないためには、
アルバイトでの稼ぎであれば103万超えていなければなんてことはないんですよね。
しかし、FXをしていると話は別です。
なぜなら「雑所得」なので38万しか控除枠がないからです。
親の扶養を外れるデメリット
親の扶養を外れると、自分に直接の負担はかかりませんが
親に負担がかかります。
今までは、子を扶養しているということでいろいろ
支払う税金が減っていたんですね。
親の年収や環境に依存するため、詳細は割愛します。
しかし、親に負担がかかるため
ちょっとの利益で扶養を外れてしまうと、家族全体で見ると損をしてしまうわけです。
38万まで控除されることを考えて、39万の利益で扶養を外れるくらいなら、
外れないほうが家族のためです。
確定申告時に扶養から外れると、その後はほぼ永久的に外れた扱いになりますから
もし外れるのであれば、安定した収益が今後も見込める場合に限り
若しくは、100万くらいがっぽり利益が出る見込みである時に限り(?)
覚悟の上で扶養控除対象から外れましょう。
ちなみに、あなたの収入が100万円を超えてしまった場合、健康保険に関する保険料が上る可能性があります。
こういった側面まで理解していかないと、損をしてしまうわけです。
ハッキリ言って思っているほど簡単じゃないですよ。
もちろん、給与所得やFXで毎年1000万くらい稼いでいれば小さいことなんですけどね。
130万以上稼ぐと
親が健康保険に入っていて、その中にあなたが含まれている場合、
アルバイト、FX関係なく130万以上を稼いでしまうと
所得税として課税対象になるのはもちろん、
扶養控除も外れ、親の社会保険の扶養者からもハズれてしまいます。
FXの税金のサイトだとあまり触れられてないですけど
学生にとってはなかなか知る機会のない情報だと思います。
そのため、自力で国民健康保険に加入する必要があります。
(すでに学生でなく、自分自身で働いている場合はもちろん別)
結構面倒くさいですよね。
アルバイトとFXを両方やっている場合
とにかく、FXなどでの雑所得が38万円を超えてしまうと税金がかかり、扶養からも外れることがわかりました。
たとえ、バイト収入が75万円だとしても、38万円以上稼げば、外れてしまいます。
アルバイトと並行しながらFX取引をしたければ、
アルバイト収入を65万円以下にしつつ、FXなど(雑所得)で38万以上を稼がなければ大丈夫です。
ちなみに住民税に関しては、33万を超えた時点でかかる。
だから実際、ゆったりと稼ぐ額は32万程度にしておいた方がいいですね。
長期運用の場合、スワップ金利にも注意してください。
思ったより収益をあげている可能性があります。
ただし、費用が認められる
「今年50万稼いじゃったよ」って人、結構いると思います。
じゃあすぐにその50万に対して課税されてしまうのか、といえばそういうわけではありません。
実は、課税対象になるのは利益から経費を引いた額になります。
そこで、経費とは何かについて学んでいきましょう。
経費とはなにか
経費とは、ここでは会計学上の用語です。
だからといって難しく考える必要はありません。
FXをするために、あなたが支払ったお金は取引資金以外にいくらか考えてみましょう。
例えば私の場合は、以下のものが経費になります。
- 書籍
- 情報商材
- セミナー参加費用(交通費込)
- パソコン購入代
- インターネット代
- スマートフォン代
- 筆記用具
私の場合はこのような感じになります。
つまり、FXをするために使ったお金全てが経費として扱うことができるわけです。
簡単に考えてみましょう。
今年利益80万上げたけど、セミナーとスマホ代で20万はかかったな・・・となれば
FXで出た本当の利益は、80万-20万で60万となり、その60万に対して課税されるわけです。
これ知らないと損しますよね。
スマートフォンから取引している場合、
スマートフォン代も経費に計上できるのはかなり大きいです。
ただし、その全てが経費になるわけではありません。
私なんて、このブログをみてわかるようにソシャゲーもやっています。
それに通学中にネットサーフィンもしているわけです。
従って、通信代全てをFXに割り当てているわけではありません。
つまり、FXにどれくらい使っているのかしか経費として落とせないわけです。
また、部屋代も経費として考えることができます。
しかし、これはやり過ぎかな?
FXのみで生計を立てている場合は法人化しているだろうし実現可能だと思いますが・・・
結構よくわからない部分が多いですよね。
そもそも数10万、数百万程度の利益に目くじらを立てて経費をチェックされるかすら
私にはわかりません。
億くらい稼いでから注目されるんだろうな、とは思っています。
まあとにかく、費用として認められるか否かは税務署次第です。
認められるかはともかく、思いつくものは全部申請してしまえばいいでしょう。
FXも株もやっている場合・・・
実は私、FXも株もやっているんです。
なんて人は注意することがあります。
これまでの話は私がFXのみ取引しているため、
FXトレーダーとして話を進めてきました。
FXと株をやっていて、2014年1月から12月までの
FXの利益が40万
株の損失が40万
このような場合は、確定申告が必要ないし扶養控除も外れないと思うかもしれません。
しかし、FXと株は損益の通算ができません。
従って、FXの利益40万に対して申告する必要があるわけです。
もちろん、株の損失も繰越のために申告することができます。
もういっそ法人化
経費の問題について触れていて、気になった法人化という手法を考えてみます。
法人化とはつまり、起業すなわち会社を作ることです。
法人口座で取引することになります。
法人の場合は経費でめちゃくちゃ落とせる
法人化のメリットで一番に感じられるのはこれじゃないですか。
このくらいなら、学生でも知っていると思います。
全てはFXをやるから、というよりかは会社を起こすからということに起因するんですが。
例えば、どんなものが挙げられるでしょうか
- 会社のための車
- 保険料
- 土地代や家賃など
- 役員報酬(家族とかを役員にするなど)
- 退職金
- 会社として給料など
おいおいなんだよこれ夢膨らむだろ!って思いませんか。
まあもちろんメッチャクチャ稼いでれば、給料だとか家族を社員だとか、役員だとかが実現しますけど。
その他費用に関しても、個人投資家の場合とくらべて申請しやすくなると思います。
まさに、「何でもかんでもとりあえず申請」がしやすくなります。
損失繰越が9年になる
前にも触れた損失繰越ですが、個人投資家だと最大3年までになります。
具体的に書くと、
2010年 -100万
2011年 0
2012年 0
2013年 0
2014年 +50万
といった場合に、2014年の利益は全て繰越によって税金から守られます。
ただしメリットばかりではない
ぱっと見、いいことばかりですが、実際に会社を起こすとなると
それ相応の費用が必要になります。
従って、利益500万程度で法人化はちょっと違うかな、と個人的に思います。
毎年2000万くらい安定して稼げるようになってから考えるべきことであり
大抵の投資家にとっては捕らぬ狸の皮算用といったところでしょうか。
結局いくら稼ぐとどうなるの!?
記事を書きながら自分でもよく分からなくなりそうだったのでまとめてみました。
所得合計(給与所得-給与所得控除+雑所得) | 親の扶養控除 | 勤労学生控除 |
103万未満 | ○ | ○ |
103万以上130万未満 | × | ○ |
130万以上 | × | × |
*この表に関係なく、雑所得が38万を超えると扶養控除×になります。
*また、雑所得が10万を超えると勤労学生控除は×になります。
具体的に私の例
今年の私の場合は、バイト収入がほぼ0です。
また、FX含む雑所得が38万未満なので勤労学生控除はなしになります。
しかし、親の扶養から外れることはなく税金も払う必要はありません。
ああもう、面倒くさい、イライラする!ってあなたへ
正直、ここまで見ると学生はFXをやるべきではないと感じている方も多いと思います。
しかし、投資を諦めるのは勿体無い。
テクニカル要素は殆ど同じなため、
源泉徴収ありの特定口座を開設できる株取引をおすすめします。
銘柄選定が難しいため、ゆっくり手を出していくのがいいのではないでしょうか。
株であれば、利益が出た時点で税金が引かれるため、
税金の計算を後からする必要はありません。
また、いくら稼いでも親の扶養家族から外れることもありません。
まとめ
以上、学生向け投資家に対する注意喚起でした。
これを気に、身の回りの税金について目を向けてみてください。
ちなみに私も、扶養控除内に収まれるように利益を調整しています。
少しづつ起業(法人化)についても触れてみました。
そういった方向に向かいたい人にとっても役に立てればなと思います。
バイナリーオプションを最近始めました!
アルバイトをしていて、年間100万ほど稼いでいます!
アルバイトで100万稼いでいて、親の扶養から外れず、税金を一切払わなくていいようにするには、バイナリーオプションでどのくらいの利益が上限ですか?
親の扶養を気にするということは学生さんですか?
細かい話は書いてある通りで、とにかく絶対に外れたくなければアルバイトは103万円以下、FXは20万円以下で抑えてください。
学生です!
アルバイトの収入とバイナリーオプションの利益が103万超えなきゃいい話なんでしょうか?
FXとアルバイト収入だと区分が違うので、あなたが今100万円アルバイトで稼いでいるなら
あとアルバイトで3万円、FXで20万円稼いでも問題ないのではないでしょうか。
家族間でのお金の考え方がわかりませんが
親の扶養控除による節税への影響よりもあなたが稼げていれば外れても問題ないでしょう。
そもそも、扶養から外れてはいけないわけではありませんから、
あなたの環境において、なぜ親の扶養を外れてはいけないのか
外れた場合どのくらい親、家計全体に実質的負担がかかるのかをもう一度考えるといいと思います。
加えて、FXは利益が調整しやすいようで、急な変動があるため何とも言えません。
ギリギリで活動しているといきなり爆益がでたりしてもおかしくないですよ。
バイナリだということでしたが、国外の会社だと雑所得ではなくなり、総合課税になるんでしょうかね。
そのあたりも調べる必要があると思いますよ。
学生です。
現在アルバイトをしていて、仮想通貨でトレードしようと考えています。
ただ親の扶養は外れたくありません。(確定申告などの難しい手続きをしたくないためです。笑)
仮想通貨も株などと同様に雑所得になると思うので、扶養から外れないためには
給与所得 : 65万以下
雑所得 : 38万円以下
にすればよいということですか?
また、これなら所得税、住民税を税務署や役所に自ら納めに行かなくてよいのですか?
もし納税しなければならないのなら、その仕組みを教えて頂きたいです。
また、アルバイトで80万、仮想通貨トレードで20万の利益がそれぞれ出たとした場合の事情も教えて頂きたいです。
たくさんのトレード歴や実力を知りませんが仮想通貨のトレードは損失しない前提で行っていただかないと納税で詰む可能性が高いです。
まずFXなどで38万以上稼ぐとすぐに扶養を外れます。”以上”です。気をつけてください。
親の扶養控除に依る節税額と自分の収益を天秤にかけてみてください。
所得と収入の違いを理解された上で質問されている
アルバイト”収入”80万、雑所得20万の場合は基礎控除のみの前提で考えれば
80 – 65 + 20 = 35となり38万を超えていないので納税不要かつ扶養外れとはなりません。
103の壁(65+38+27)の意味を調べるとスッキリすると思います。
もし記事をこう書いて欲しい、など意見がありましたら引続きお願いします。
[…] 者(主婦や学生)の雑所得に関する記事】 エネルギーブログ|学生のFXにおける税金・確定申告・扶養控除まとめ […]
学生です。
アルバイトはしていないので、扶養控除の対象になるようにする場合は雑所得(自分の場合はFX)が38万以上にならないように気をつければいいだけですか?
その他注意点などありましたら教えてもらえると助かります。
そうです。37.999万円で抑えてください笑
注意点は怪しい教材やスクールにだまされないでくださいってとこです。
人生棒に振るかもしれませんから。
ようは学生で200万稼いでも300万稼いでも、決済しなければいいってことですよね!?
仮想通貨の含み益の話であれば問題ありません。